ワイモバイルから発売されている「Libero5G」。
5G対応端末としては非常に安価でありながら、5G通信に対応するために最新のSOCを搭載しているため、性能もそれなりに良いという、隠れた良端末です。
この度、楽天モバイルの1年無料期間が終了し、より維持費の安いワイモバイルにMNPすると同時に購入したため、レビューしていきたいと思います。
現在、ワイモバイルの公式オンラインストアで4320円で購入できます。前提として、その価格で買える端末ということで当記事をご覧ください。
スペック
まずはスペックから確認しましょう。
発売日 | 2021年4月8日 |
OS種類 | Android 11 |
CPU |
Snapdragon 690 5G
|
CPUコア数 | オクタコア |
内蔵メモリ(ROM) | 64GB |
内蔵メモリ(RAM) | 4GB |
充電器・充電ケーブル | USB Type-C |
外部メモリタイプ |
microSDXCメモリーカード
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外部メモリ最大容量 | 512GB |
バッテリー容量 | 3900mAh |
画面サイズ | 6.5インチ |
画面解像度 | 2340×1080 |
パネル種類 | TFT |
背面カメラ画素数 |
メイン:約1600万画素
広角:約800万画素 被写界深度:約200万画素 |
前面カメラ画素数 | 約800万画素 |
手ブレ補正 | ○ |
4K撮影対応 | ○ |
スローモーション撮影 | ○ |
撮影用フラッシュ | ○ |
複数レンズ | ○ |
幅 | 77mm |
高さ | 166mm |
厚み | 9.2mm |
重量 | 201.7g |
カラー | ホワイト レッド ブルー |
おサイフケータイ/FeliCa | おサイフケータイ |
認証機能 | 指紋認証 |
耐水・防水 | IPX7 |
GPS | ○ |
センサー | 明るさセンサー 近接センサー |
5G | ○ |
4G・LTE | ○ |
無線LAN規格 |
IEEE802.11 a/b/g/n/ac
|
テザリング対応 | ○ |
Bluetooth | Bluetooth 5.1 |
NFC | ○ |
ちなみに購入価格は、近くのヤマダ電機でワイモバイルの回線同時契約で3980円でした。最新機種なのに破格すぎる。本当は使っていた「OPPO Reno A」をSIMだけ差し替えて使おうと思ったんだけど、あまりに安いので買っちゃいました。
開封の儀と同梱品
箱の外観です。めちゃくちゃシンプル。箱にこだわる人には物足りないだろうけど、幸いわたしはこだわりがないので問題なし。
最近、流行りの薄型外箱です。薄型ってことは同梱品が少ないってことですね。
フタを開けると前面には本体があります。
同梱品は、
- 説明書
- USBタイプCをイヤホンジャックに変換するケーブル
- SIMピン(写真には写っていません)
以上です。
以前なら同梱されていた充電アダプターやケーブル、イヤフォンは省略されています。どっかのリンゴ社が環境に配慮するという言い訳で同梱品を省略したことにより、どこのメーカーもそうする傾向にありますね。
その分、安くなっていれば良いですけど、果たしてそうなのか。。。
本体外観
正面から見た図。ディスプレイに関しては後ほど。
背面には指紋認証があります。おサイフケータイには対応していますが、対応端末には珍しく、接触位置を示すマークがありませんね。
カメラは3眼構成です。
本体上部にはマイク穴?とSIMスロットがあります。
本体下部は充電口(USBタイプC)とスピーカー、マイク穴があります。スピーカーはここだけにしかないので、残念ながらモノラルになります。
ディスプレイを上にして、向かって右側の側面には音量ボタンと電源ボタンがあります。
反対の側面には何もありません。
OS(オペレーションシステム)とプリインストールアプリ
OSにはandroid11が搭載されており、これはこの端末の発売時点では最新のバージョンとなっています。
Liberoシリーズはこれまでも新しいバージョンが出たときのメジャーアップデートが1回はありますので、Libero5Gもandroid11→android12へのアップデートには期待ができそうです。
プリインストールされているアプリは、Google系とワイモバイルの関係です。あとは電話やカメラ、設定などのシステムアプリ。
CPU
スマホの処理能力をほぼ決定するCPUは「Snapdragon690 5G」が搭載されています。ミドルレンジのCPUを指し示す「6○○」シリーズのなかでは2021年6月現在で最上級のCPUとなっています。
よくスマートフォンの性能を測るのに使われる「Antutu」というベンチマークソフトでは以下の性能となっています。
参考① | 参考② | |
総合性能 | 281704 | 285373 |
CPU性能 | 107253 | 105980 |
GPU性能 | 62393 | 62229 |
MEM性能 | 53999 | 56997 |
UX性能 | 58059 | 60167 |
総合性能で28万点台という、ミドルレンジとは思えない好スコアをたたき出します。これは、日本人が大好きなiPhoneで例えると「iPhone8」と同じくらいの水準となっています。
実際に使っていても、大変サクサクとした動作をしてくれます。スクロールの引っ掛かりやアプリ立ち上げの遅延などでストレスを感じることはありません。普段使いではまず問題がない、優秀なCPUです。
反面、GPUスコアはそこまで高くありません。ゲームアプリをする際、重ためのゲームでは画質やフレームレートを少し落としたほうが快適に作動します。
筆者のスマホゲーム史上、最もプレイしている「ロマンシングサガ・リユニバース」では、高画質でプレイできるものの、アバドンハンズなど一部の技でわずかなコマ落ちが見られます。
最近リリースされた「二ノ国CROSS WORLD」は、非常に美麗なグラフィックをしていますが、アプリ側の調整が上手いのか、最高画質、最高フレームレートでもストレスなくプレイ可能です。
メモリ関係
ROMは64GBと、昨今の基準で言えば最低限レベルです。購入時点でシステムやプリインストールアプリで10GBほど使っているので、実質54GB弱が使える容量となります。長く使うには心もとないですね。最大512GBまでのマイクロSDカードが差せるので、写真や動画など容量を圧迫するものは積極的にSDカードへ逃がしていきましょう。
RAMは4GBと、これまた昨今の基準で言えば最低限レベルです。とはいえ、iPhone12だってRAMは4GBです。ハイエンドなandroid端末になると12GBなんて大容量もありますが、少なくても大きな問題にはならない部分だと言えます。
バッテリー関係
バッテリー容量は3900mAhと、大きさを考えれば妥当な容量といったところでしょうか。スマホとしては必要十分ですが、バッテリーを売りにできるほどではありません。
実使用でのバッテリー持ちは普通といったところです。ゲームをしていると減りは早いですが、これはどんなスマホでも言えることです。待機時、ブラウジング時など、減りが特に早いといったことはないため、バッテリーに不満を持つことはないでしょう。
ちなみに急速充電にも対応しています。同梱の充電機がないので別に準備しなければなりませんが、朝起きて「充電し忘れた!」ってときでも、わずかな時間で一気に充電してくれます。
ディスプレイ関係
ディスプレイサイズは6.5インチと大画面です。
解像度はFHD+です。
ディスプレイ素材はTFT(液晶)です。
昨今はミドルレンジでも有機ELを採用している機種が多い中での液晶はちょっと残念ですね。前に使っていた有機EL搭載機種(RenoA)と比べると、発色も視野角も大きな差は感じませんが、ディスプレイ輝度は有機ELのほうがずっと暗く、そして明るくできますね。
フロントカメラが小さめのパンチホール式なので、ディスプレイ表示の邪魔をしにくいところが良いですね。時代はノッチ(切り欠き)よりもパンチホールです。
カメラ関係(静止画)
リアカメラは、広角1600万画素+超広角800万画素+深度カメラ200万画素の3眼構成です。
昨今のウン千万画素、果ては1億画素と比べると見劣りしますが、画素数が多ければキレイに撮れるというわけではありません。それなら、カメラ性能に定評のあるiPhoneやpixelシリーズが1200万画素となっている理由がありません。
Libero5Gはミドルレンジではありますが、カメラは結構キレイです。下記の作例が続きますが、ブログにアップすると画質が落ちてしまうので、あまりキレイに見えませんね。本体のディスプレイで確認すると、細かな部分まできちんと描写できており、個人的には結構満足しています。
通常撮影
Libero5Gには、静止画だと「写真(通常撮影、広角あり)」、「ポートレート」、「スーパーナイト」、「背景ぼかし」という4つのモードがあります。まずは通常撮影から。
真っ赤な看板と樹木を一緒に撮りました。看板は元々真っ赤なんですけど、見たままという感じで不自然に強調されていません。また、折り重なる木の葉の感じや微妙な色の違いもうまく撮れています。
人工的な、幾何学的な景色です。エスカレーターの細かなミゾはうまく描写できず、波打ったかのような模様が浮かび上がります。スマホでこれをミゾの1つ1つまできちんと描写できるのってあるんですかね?
大海原に浮かぶ朝日をパシャリ。朝日もさることながら、雲の感じと手前のテトラポットが黒つぶれしていないのも良いですね。
背景ぼかし
「背景ぼかし」では、擬似的にF値を1.0~8.0まで選択してボケ具合を調整することができます。1.0のほうがボケが大きく、8.0のほうがボケが小さくなります。
こちらは8.0での撮影です。ご覧の通り背景のボケがほとんどありません。
こちらが1.0です。先ほどよりボケが大きくなっているのが分かります。
「背景ぼかし」で撮影すると、撮影後の処理時間が通常撮影よりも長く、実際にデータ容量も2~3倍になっています。多くの情報を取り入れて処理している様子が伺えます。
そのせいか、通常撮影よりも立体感のある写真に仕上がる印象です。
ただし、ボケの処理はうまくないですね。
この写真だと、キノコの左側に1本だけ出ている芝はキノコよりも手前にあるんですけど、あたかも後ろにあるようなボケが掛かっています。深度測定カメラを搭載しているのだから、このあたりはもうちょっとうまく処理してほしかったかな。
ナイトモード
もはや必須機能となった「ナイトモード」もあります。そもそもデフォルトでかなり明るいカメラになっていますが、「ナイトモード」にすることでさらに明るくなります。
これは「ナイトモード」ではなく、通常撮影で撮った写真です。ただし、これもかなり明るく写っています。撮影したときは日没直前でほとんど光量がない状態だったのですが、日没1時間前くらいのイメージで撮れました。
これが「ナイトモード」です。曇天のお昼くらいまで明るくなりました。多くの光を取り込むためにシャッタースピードがかなり遅くなります。これはどのスマホでも一緒ですが、動きのある被写体には使えません。
夜間に補助光を使うと印象的な写真に
補助光もありますが、これは通常撮影でしか使えません。他のモードではアイコンがありません。
でも、真っ暗ななかで補助光を使うことで印象的な写真がつくれました。
周りの色が映えない分、花の色が際立って見えます。ここまで際立たせるためには、被写体にそこそこ寄らないといけないので、人物撮影などには使いにくいですけどね。
結構、接写できる
一部のスマホで搭載されているマクロカメラはありませんが、結構接写ができます。
一切のズームをせずにここまで寄って撮ることができます。マクロカメラのような接写は無理でも、普通に使う分には十分すぎる接写でしょう。花弁の陰影やディテールなど、きちんと描写してくれています。
カメラ関係(動画)
4K撮影に対応し、手振れ補正も備えています。
ひと昔前のミドルレンジスマホは、手振れ補正がなく、動画撮影の性能がかなら省かれた機種が目立ちましたが、Libero5Gは多少底上げされているかなという印象です。
動画でもそれなりに頑張ってくれますが、解像度を問わず60fpsに対応していないため、高フレームレートのヌルヌルっと動く動画は撮れません。動画撮影の性能なら、手持ちの初代iPhoneSEのほうが上です。
(iPhone系の動画撮影の強さは別格ですけどね…)
生体認証関係
顔認証がなく、背面指紋認証のみです。
顔認証がないことについては、昨今のマスク着用社会においてデメリットになり得ません。マスクを外せるときに使うと、確かに便利でしたけどね。
背面指紋認証は精度、速度ともに良好です。本体あるいは指が濡れていると上手く認証できませんが、逆に言えばきちんと判別している証拠でもあります。ただ、背面はスマホを置いた状態で起動させるのに、いちいち持ち上げないといけないのは手間ですね。
前に使っていた「RenoA」は顔認証と画面内指紋認証という構成でした。画面内指紋認証は前面にあるので持ち上げる必要がなくて良かったですが、認証精度が悪く、何回か試行しないと認証してくれないこともしばしばありました。それはそれでストレスだったので、背面指紋認証でもまぁ良いかなという感じですね。
通信関係
Libero5Gは、名前が示す通り5G対応です。
5G自体はまだまだ範囲が狭く、都心部のなかでも限られた狭い地域だけしかつながりません。正直なところ、5Gが良いというより、5Gに対応したCPUは新しい世代であるために処理性能が良いという点が魅力です。
私の場合、なんと勤務先が5G圏内だったということもあり、最低限の恩恵は受けられるのかなと思っています。仕事中にがっつりとスマホを触ることもそんなにないですけどね。
Libero5Gは、SIMロックを解除して、ワイモバイル以外のSIMカードを差して使うこともできます。ただし、ワイモバイル専売ということもあって対応する周波数が限定的であるため、ワイモバイルをはじめとするソフトバンク系の電波以外には完全対応とはいきません。
ドコモ系やUQモバイルなどのau系のSIMカードを差す場合は、電波が弱くなると思って良いです。特にau系は弱いのでオススメしません。
LINEの通知が来ない問題は解決できます
レビューにて散見する「LINEの通知が来ない」という問題については、解決できます。
これはバッテリー節約機能が悪さをしていて、バックグラウンドでの動作を制限しているために起きています。そのため、その制限を取っ払ってあげましょう。
設定アプリより、電池の項目をタップすると上記画像の画面が出てきます。ここで「アダプティブバッテリー」をオフにします。さらに、「アプリの最適化」をタップします。
アプリごとに設定ができますので、LINEをタップします。
すると上記画像の画面になりますので、すべての項目を「最適化しない」にしましょう。
こうすることでLINEのバックグランドでの動作を妨げなくなり、通知がきちんと来るようになります。ちなみにLINEの設定で通知をオンにすることもお忘れなく。
「LINEがバッテリーを消費しています」といった旨の通知が来るのが多少煩わしいですが、ガン無視しましょう。
まとめ
Libero5Gは、絶対的な性能が特に優れた端末ではありませんが、価格に対する性能が優れたコストパフォーマンス端末といえるでしょう。
特に「Snapdoragon690 5G」を搭載したことによる、処理性能は同価格帯でも突出した性能となっています。
カメラ性能も良いとは言えませんが、トレンドである広角+超広角の構成となっています。写りも感動するようなキレイさはありませんが、通常使用に耐えるレベルは持っています。
さらに防水防塵、おサイフケータイに対応するなど、日本市場向けの機能も備えており、あらゆる性能をほどよく兼ね揃えた端末となっています。
デメリットは、ソフトバンク系の周波数にしか完全には対応しないところですね。ドコモ系やau系の周波数を使った会社にMNPするときは気を付けなければなりません。
しかし、公式オンラインショップで4320円というコストパフォーマンスはめちゃ魅力です。この価格でこの性能の端末って、今まであんまりなかったです。
スマホは全体の性能が底上げされてきており、ひと昔前のようにハイエンドでなければ性能に不満が出る時代は終わりました。今はミドルレンジでも優れた端末がたくさんあります。
また、MNPの転出手数料が無料となったいま、もはや一つの通信会社に固執するメリットはほぼなくなったといっても良いでしょう。MNPや新規契約で端末代金の割引やポイントバック、キャッシュバックが受けられるので、積極的にMNPするのが今の時代の賢いスマホ運用方法です。
私自身、家族構成的に学割が使えるため、ワイモバイルとUQモバイルを交互にMNPして使うことを基本としています。そして、MNPするたびにポイントバックやキャッシュバックをもらっています。今回のLibero5Gは、ポイントバックやキャッシュバックよりも端末割引が大きかったのでそうしました。
スマホの通信料金は、もはや現代社会では不可欠となった月々の固定費です。だからこそ、できるだけ安く抑える方法を知っていると知らないで、実行するとしないで、大げさかもしれませんが将来的な貯蓄が変わってきます。
この機会に、通信会社を変えてみてはいかがでしょうか。
ワイモバイルにMNPまたは新規契約でPayPayポイントのキャッシュバックがあります。
さらに端末割引もあるので、かなりお得にスマホが買い替えられるうえに月々の通信費も安く抑えられます。私は学割と家族割を併用して、プランMで月々990円(高速通信18GB)という格安の維持費でワイモバイルを使っています。
(2021年の学割は5月末で終了しちゃいましたが…)
さらにネットなら契約事務手数料も無料です。現在、多くの通信会社でMNPの転出手数料が無料となったため、初期費用0円でMNPが可能となっています。
もはや一つの通信会社に固執するメリットはありません。定期的にMNPをしながら、うまくキャッシュバックや端末割引を活用する時代です。恐らく、結構な割合で「めんどくさい」という理由からそのままにしている人も多いと思われますが、それは本当に損なのでまずは動いてみることをオススメします。